対数(log)とは?
対数(logarithm、ログ)は、ある数を、別の数を何回掛けると得られるかを表す数です。
例えば、よく知られている指数の例から考えてみましょう:
23=8
これは:
- 2 を 3 回掛け合わせる:2×2×2=8
- 3 を指数と呼びます
- 2 を底(べき)と呼びます
この関係を対数で表すと:
log2(8)=3
となります。これは「2を何回掛けると8になるか?」という問いの答えが3である、という意味です。
対数の読み方
- log2(8) → 「底が2の8の対数」
- log10(100) → 「底が10の100の対数」
- ln(e) → 「eの自然対数」
対数の種類と特徴
1. 常用対数(log または log10)
最も一般的な対数で、底が10のものを指します。
- 例:log10(100)=2(102=100 だから)
- 例:log10(1000)=3(103=1000 だから)
- 特徴:桁数の計算に便利
2. 自然対数(ln または loge)
底が自然数 e (約2.718) の対数です。
- 例:ln(e)=1(e1=e だから)
- 例:ln(e2)=2(e2=e×e だから)
- 特徴:微分・積分で重要な役割
3. 二進対数(log2)
底が2の対数です。
- 例:log2(8)=3(23=8 だから)
- 例:log2(16)=4(24=16 だから)
- 特徴:コンピュータの計算で使用
対数の基本法則
1. 積の法則
掛け算は足し算になります:
log(a×b)=log(a)+log(b)
例:log(100×1000)=log(100)+log(1000)=2+3=5
2. 商の法則
割り算は引き算になります:
log(a÷b)=log(a)−log(b)
例:log(1000÷100)=log(1000)−log(100)=3−2=1
3. べき乗の法則
べき乗は掛け算になります:
log(an)=n×log(a)
例:log(1002)=2×log(100)=2×2=4
重要なポイント
- 底が明記されていない場合は、常用対数(log10)とみなします
- 0や負の数の対数は定義されません
- どんな底bでもlogb(b)=1です(b1=bだから)
対数の計算のコツ
-
底の確認
- 底が明記されているか確認
- 明記がない場合は10(常用対数)とみなす
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計算の順序
- まず、べき乗の法則を適用
- 次に、積・商の法則を適用
- 最後に、必要な底の変換を行う
-
よくある間違い
- 負の数の対数は存在しない
- 0の対数は定義されない
- 底を1にはできない
実生活での応用例
📏 地震の規模(マグニチュード)
リヒタースケールは常用対数(底10)を使用:
- マグニチュード6は、マグニチュード5の10倍の強さ
- マグニチュード7は、マグニチュード5の100倍の強さ
🔊 音の大きさ(デシベル)
デシベルも対数を使用:
- +10dBごとに音の強さは10倍に
- 普通の会話:約60dB
- ロックコンサート:約110dB(約100,000倍!)
練習してみましょう
対数計算ツールを使って、実際に計算を試してみましょう:
- 計算過程が表示されるので、学習に最適
- スマートフォンでも使いやすい
- 常用対数、自然対数、二進対数に対応